足場かけ(スキャフォールディング)
読み: あしはかけ別名: Scaffolding、スキャフォールディング、足場づくり、学習支援
一人ではまだできないことを、手助けを添えてできるようにし、慣れるにつれて手助けを外していく支援の考え方です。研修での手立てと外し方を解説します。
足場かけは、一人ではまだできないことを、手助けを添えてできるようにし、慣れるにつれて手助けを外していく支援の考え方です。 建物を建てるときの足場にたとえた言葉で、「スキャフォールディング」とも呼ばれます。 ジェローム・ブルーナーらが使い始めた言葉で、 レフ・ヴィゴツキーの発達の最近接領域(一人ではできないが、手助けがあればできる範囲)と結びつけて語られることが多い考え方です。
「教える」との違い
足場かけは、答えややり方を代わりに示すことではありません。 本人が自分でやり遂げるために、足りない部分だけを支えます。 そして、支えは最後には外すことが前提です。
| 足場の無い状態 | 足場かけ | 足場を外さない状態 | |
|---|---|---|---|
| 本人 | 難しすぎて手が止まる | 支えを使いながら自分でやる | 支えが無いとできない |
| 支援する側 | 見ているだけ | 必要な分だけ支え、少しずつ減らす | いつまでも同じだけ支える |
研修での手立ての例
見本を見せる 解き方や進め方の例を最初に示し、受講者がそれをなぞりながら取り組めるようにします。
手順を区切る 大きな課題を小さな段階に分け、一つずつ取り組めるようにします。
型や枠を渡す 報告書の書き出し、面談で使う質問の例、判断のためのチェックリストなどを配ります。
問いかけで導く 行き詰まったとき、答えを教える代わりに「次に何を確かめますか」と問いかけ、考えを先へ進めます。
外していく順序
足場かけで最も大切で、最も忘れられやすいのが外していくことです。
- 見本を見せ、一緒にやる
- 型や手引きを見ながら、本人がやる
- 手引きを減らし、困ったときだけ支える
- 手助け無しで、本人がやる
OJTで「見せる → やらせる → 任せる」と段階を踏むのも、同じ流れです。 外す時期は、本人の様子を見て決めます。外すのが早すぎると手が止まり、遅すぎると自分で考えなくなります。
気をつけたいこと
一律に支えない 同じ研修の受講者でも、すでにできる人に細かい手引きを付けると、かえって負担になります (認知負荷)。 経験に合わせて支え方を変えるか、手引きを必要な人だけが開ける形にします。
支えを外した後の確認をする 手引きがあればできる状態と、無くてもできる状態は別物です。 最後は手助け無しで取り組む場面を用意して、身についたかを確かめます。
職場の支え手とつなぐ 研修が終わった後に支えるのは、上司や先輩です。 研修で使った型や手引きを職場にも渡しておくと、支え方がそろいます (メンター制度・研修転移)。
