想起練習(テスト効果)
読み: そうきれんしゆう別名: Retrieval Practice、Testing Effect、テスト効果、検索練習、思い出す練習
学んだ内容を自分の力で思い出すこと自体が、記憶を強くするという考え方です。読み返しとの違いと、確認テストを学びの道具として使う方法を解説します。
想起練習は、学んだ内容を、教材を見ずに自分の力で思い出す練習のことです。 思い出そうとすること自体が記憶を強くし、教材を読み返すよりも長く覚えていられる、 という現象はテスト効果とも呼ばれ、学習の心理学で繰り返し確かめられてきました。
読み返しとの違い
| 読み返し | 想起練習 | |
|---|---|---|
| やること | 教材をもう一度見る | 見ずに思い出す、問題を解く |
| その場の感覚 | 分かった気がしやすい | 思い出せず、苦労を感じやすい |
| 後に残るもの | 見覚え | 自分で取り出せる記憶 |
教材を読み返すと内容に見覚えがあるため、「もう覚えた」と感じやすくなります。 しかし、見て分かることと、見ずに思い出せることは別です。 職場で必要なのは、たいてい見ずに思い出せることのほうです。
テストは「測る道具」だけではない
テストは理解の度合いを測るためのもの、と考えられがちです。 想起練習の考え方では、テストはそれ自体が学びの機会になります。
- 研修の途中に短い問題を挟むと、それまでの内容を思い出す練習になる
- 研修の後に復習の問題を出すと、忘れかけた内容を取り戻せる
- 間違えた問題は、何を覚えていなかったかを本人に気づかせる
測ることが目的の理解度テストとは別に、 練習として解く問題を用意すると、この効果を生かしやすくなります。
効果を高める工夫
間隔をあけて繰り返す 一度解いて終わりにせず、日をおいて繰り返すと効果が大きくなるとされています (分散学習)。
すぐに正解と理由を返す 間違えたまま放っておくと、誤った理解が残ることがあります。 正解に加えて、なぜそうなるのかの解説を返します。
選ぶだけでなく、書かせる問題も混ぜる 選択肢から選ぶ問題は、見覚えだけで解けてしまうことがあります。 用語や手順を自分で書く問題を混ぜると、思い出す力をより鍛えられます (設問の形式)。
運用での注意
練習と評価を分ける 練習のつもりの問題が成績に残ると、受講者は間違えるのを恐れて 教材を見ながら解くようになります。 練習のテストは成績に残さないと伝え、気軽に取り組めるようにします。
問題の質を保つ 細かい暗記を問うだけの問題を解いても、職場で使う力にはつながりにくくなります。 職場の場面で判断を求める問題を入れると、練習の意味が大きくなります。
パレットLMSでの扱い
パレットLMSの確認テストでは、想起練習を次のように組み込めます。
- 練習モード — 成績に残らず、回答ごとに正誤と解説を表示します
- 復習モード — 前回までに間違えた問題だけを解き直せます
- 解説の表示 — 解説を出すタイミングを、回答の直後・提出の後・出さない、から選べます
- 設問の形式は10種類で、選ぶ問題のほかに入力して答える問題も作れます
