内発的動機づけ・外発的動機づけ
読み: ないはつてきとうきつけ別名: Intrinsic Motivation、Extrinsic Motivation、Self-Determination Theory、自己決定理論、動機づけ、モチベーション
興味や面白さから生まれる意欲と、報酬や評価など外からの働きかけで生まれる意欲の違いです。自己決定理論の考え方と、研修で意欲を支える工夫を解説します。
内発的動機づけは、学ぶことそのものの面白さや、知りたいという気持ちから生まれる意欲です。 外発的動機づけは、報酬・評価・指示など、外からの働きかけによって生まれる意欲です。 研修の受講者の意欲を考えるとき、どちらか一方ではなく、両者の性質の違いを知っておくことが役立ちます。
2つの違い
| 内発的動機づけ | 外発的動機づけ | |
|---|---|---|
| 意欲の源 | 興味、面白さ、成長の手ごたえ | 報酬、評価、罰、指示 |
| 研修での例 | 仕事に役立つと分かって自分から学ぶ | 必修だから、昇格の条件だから受ける |
| 長所 | 続きやすく、深く考えやすい | すぐに行動を起こしやすい |
| 弱み | 生まれるのを待つしかない面がある | 働きかけがなくなると止まりやすい |
自己決定理論
エドワード・デシとリチャード・ライアンは、動機づけを自己決定理論として整理しました。 この考え方では、外発的動機づけも一つではなく、本人がどれだけ納得しているかによって段階があるとされます。
- 言われたから、罰を避けたいからやる
- やらないと気が引ける、恥ずかしいからやる
- 自分にとって大事だと分かっているからやる
- 自分の価値観と結びついているからやる
下に行くほど、外からの働きかけであっても、本人の意欲として続きやすくなります。 研修では、必修の研修を「やらされるもの」から「自分に必要なもの」へ近づけることが目標になります。
意欲を支える3つの欲求
自己決定理論では、人には次の3つの欲求があり、これが満たされると意欲が保たれやすいとされます。
| 欲求 | 内容 | 研修での手立ての例 |
|---|---|---|
| 自律性 | 自分で選んでいると感じたい | 受ける順番や時期、扱う事例を選べるようにする |
| 有能感 | できるようになっていると感じたい | 易しい課題から始める、進み具合が見えるようにする |
| 関係性 | 人とつながっていると感じたい | 受講者どうしや上司と話す機会をつくる |
報酬の使い方に気をつける
もともと面白いと感じていた活動に外から報酬を与えると、 かえって内発的動機づけが弱まることがある、という指摘があります(アンダーマイニング効果)。
バッジやランキング、受講の回数に応じた表彰は、取りかかるきっかけとしては役立ちます。 一方、それが目的になると、内容よりも記録を稼ぐことに目が向きます (ゲーミフィケーション)。 報酬は、本人の成長や努力を認める形で使うと、意欲を損ないにくいとされています。
研修担当者ができること
- なぜ学ぶのかを伝える — 受講者の仕事のどの場面で役立つかを示します
- 選べる部分を残す — すべてを決めずに、受講の時期や扱う題材を選べるようにします
- 進歩を見えるようにする — できるようになったことを本人が確かめられるようにします
- 学んだことを使う場をつくる — 職場で試し、上司から認められる機会を用意します(研修転移)
意欲を研修の設計に生かす枠組みとしては、ARCSモデルもよく使われます。 仕事全体への意欲は従業員エンゲージメントとして扱われます。
