人的資本開示
読み: しんてきしほんかいし別名: Human Capital Disclosure、人的資本の情報開示、人材育成方針、ISO 30414
人材の育成や社内環境の整備についての方針と指標を、投資家などに向けて開示することです。有価証券報告書での扱いと、研修データの準備を解説します。
人的資本開示は、人材を「コスト」ではなく価値を生む資本として捉え、 その育成や活用の方針・状況を、投資家などの社外に向けて開示することです。
研修は人材への投資の代表的なものなので、 人事・研修の担当者にとっても、記録の残し方に関わるテーマです。
有価証券報告書での開示
日本では、2023年3月31日以後に終了する事業年度の有価証券報告書から、 サステナビリティに関する考え方と取組を記載する欄が設けられました。
人的資本については、次の記載が求められています。
- 人材の育成に関する方針と、社内環境の整備に関する方針
- それらの方針に関する指標の内容と、その指標を用いた目標・実績
あわせて、女性活躍推進法などにもとづいて公表している企業は、 女性管理職比率・男性の育児休業取得率・男女間の賃金の差異も記載します。
⚠ 開示の対象や記載事項は、法令やガイドラインの改正で変わることがあります。 実際の開示にあたっては、金融庁などの最新の情報をご確認いただくか、 専門家にご相談ください。本ページは考え方の概要と、研修データの準備についてのご説明です。
参考にされる指針
- ISO 30414 — 人的資本に関する情報の報告について定めた国際的なガイドラインです
- 人的資本可視化指針 — 内閣官房がまとめた、国内企業向けの開示の手引きです
どの指標を開示するかは、各社が自社の人材戦略に合わせて選びます。 「研修時間」「研修費用」「研修の受講者数」などを 人材育成の指標として示す企業もあります。
研修データで気をつけたいこと
指標の定義を先に決める 「1人あたりの研修時間」と言っても、分母を全従業員にするのか、 受講した人にするのかで数字は変わります (受講率・修了率の分母の話と同じです)。 年度をまたいで比べるには、毎年同じ定義で数える必要があります。
社外の研修も漏らさない 外部のセミナーや通信講座の受講が記録に入っていないと、 育成への投資を実際より小さく示すことになります。
一度出した数字が後から変わらないようにする 退職者の記録を消したり、異動で所属を上書きしたりすると、 過去の年度の数字が後から変わってしまいます。 年度・所属の扱いは年度集計も参考にしてください。
パレットLMSでの扱い
パレットLMSでは、人材育成の指標の元になる研修の記録を、年度・部署ごとにまとめて出せます。
- 組織別のレポートで、グループごとの対象者数・割当・修了・修了率・学習時間を年度で集計し、 CSVで出力できます(年度の開始月は組織で設定できます)
- 所属の履歴を保持しているため、受講当時の所属での集計もできます。 後から退職した人がいても、過去の年度の実績は減りません
- 社外の研修は外部研修の履歴として記録でき(証明書のファイルも添えられます)、 全員分をCSVで出力できます
- 等級・雇用区分などのユーザーの項目を定義すると、ユーザーの絞り込みや 受講者別のレポートのCSVに使えます
