経験学習モデル(コルブ)
読み: けいけんかくしゆうもてる別名: Experiential Learning Model、Kolb's Experiential Learning Cycle、経験学習、経験学習サイクル、コルブの経験学習モデル
経験・振り返り・教訓づくり・試行の4つを回して、経験から学ぶ流れを示した考え方です。研修と職場をつなぐ使い方を解説します。
経験学習モデルは、人は経験をそのまま学びにするのではなく、振り返って教訓にし、次の場面で試すことで学ぶ、 という流れを示した考え方です。デイビッド・コルブが提唱したもので、 4つの段階を回り続ける「サイクル」として表されます。
4つの段階
| 段階 | 内容 | 職場での例 |
|---|---|---|
| 具体的な経験 | 実際に何かをやってみる | 初めて顧客への提案を任される |
| 振り返り(内省的な観察) | 何が起きたかを、いろいろな角度から見直す | 相手の反応が鈍かった場面を思い出す |
| 教訓づくり(抽象的な概念化) | ほかの場面でも使える考え方にまとめる | 「最初に相手の課題を確かめてから話す」 |
| 試してみる(能動的な実験) | まとめた考え方を次の場面で使う | 次の提案で、冒頭に質問の時間を取る |
試した結果がまた新しい経験になり、次の振り返りにつながります。
「経験すれば育つ」わけではない
仕事の経験が成長の大きな源であることは、70:20:10の法則でも語られます。 ただ、経験学習モデルが示すのは、経験だけでは学びにならないということです。
忙しい職場では、経験をしたまま次の仕事に移り、振り返りと教訓づくりが抜けがちです。 同じ失敗を繰り返す、うまくいった理由が分からないまま、といった状態は、 サイクルが途中で止まっているサインです。
研修での生かし方
研修を「教訓づくり」と「試す準備」の場にする 研修の中だけで4つを回すのは難しいため、職場での経験と組み合わせて考えます。 研修の前に職場での出来事を持ち寄ってもらい、研修の中で振り返りと教訓づくりを行い、 研修の後に職場で試す、という形にすると、サイクルを1周させやすくなります。
振り返りを一人に任せない 上司やメンターとの対話、同じ立場の人どうしの話し合いがあると、 自分では気づかない見方が加わります。
試した結果を確かめる場を作る 研修の後に「やってみてどうだったか」を報告する機会を設けると、 次の振り返りが始まります(研修転移)。
使うときの注意
4つの段階は、きれいに順番どおりに進むとは限りません。 どこが抜けているかを点検する見取り図として使うのが実用的です。
また、人によって得意な段階が違う、という見方もあります。 全員に同じ進め方を当てはめず、振り返りの問いや話し合いの形を工夫します。
パレットLMSでの扱い
パレットLMSでは、研修と職場での経験をつなぐ流れを、次の機能で組み立てられます。
- 課題提出 — 「職場で試した結果と気づき」を報告してもらい、講師がフィードバックを返せます
- 教材の公開期間 — 振り返りの課題を「割当から何日後」に開くようにし、職場で試す期間を空けられます
- 集合研修 — 経験を持ち寄って話し合う回を、コースの中の一つのステップとして組み込めます
