実践共同体(CoP)
読み: しつせんきようとうたい別名: Community of Practice、CoP、実践コミュニティ、社内コミュニティ、勉強会
同じ仕事や関心を持つ人が、知識や経験を持ち寄って学び合う集まりのことです。部署やプロジェクトとの違い、立ち上げと続けるための勘所を解説します。
実践共同体は、同じ仕事や関心を持つ人が、知識や経験を持ち寄って、互いに学び合う集まりのことです。 英語の Community of Practice の頭文字から「CoP」とも呼ばれます。 ジーン・レイヴとエティエンヌ・ウェンガーが、人が仕事の現場で学んでいく姿を説明する中で示した考え方として知られています。
3つの要素
ウェンガーらは、実践共同体を次の3つの要素で説明しています。
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 領域 | 何について学び合うかという、共通の関心 | 営業の提案、品質管理、データ分析 |
| 共同体 | 互いを知り、相談し合える人のつながり | 定期的に集まる顔ぶれ |
| 実践 | 共有されていく道具ややり方、事例 | 提案書の型、失敗事例、手順のこつ |
3つがそろってはじめて、単なる名簿や情報の置き場ではなく、学び合いの場として機能します。
部署やプロジェクトとの違い
| 部署 | プロジェクト | 実践共同体 | |
|---|---|---|---|
| 集まる理由 | 組織上の配置 | 決まった成果物 | 共通の関心と学び |
| 参加 | 決められる | 割り当てられる | 自分で加わる |
| 終わり | 組織の変更まで続く | 成果を出したら解散 | 関心がある間は続く |
部署を越えて同じ職種の人がつながれるため、 一人しかいない専門職や、拠点に分かれた職場で特に役立ちます。
新しく入った人の学び方
レイヴとウェンガーは、新しく加わった人が、最初は周辺の簡単な役割から関わり、 次第に中心的な役割へ移りながら一人前になっていく過程を正統的周辺参加と呼びました。 研修で教えられることだけでなく、先輩の仕事ぶりを見て、少しずつ任される中で身につくことも多い、という見方です (OJT・オンボーディング)。
立ち上げと続けるための勘所
関心のあるテーマから始める 会社が決めたテーマで参加を義務づけると、自分で加わるという性格が失われます。 すでに自然に相談し合っている人たちを見つけ、その集まりを後押しする形が始めやすいとされます。
中心になる人を支える 集まりの世話をする人の手間は、思いのほか大きくなります。 その役割を仕事として認め、時間を割けるようにします。
集まる場と、残す場を用意する 定期的に顔を合わせる場に加えて、話し合ったことや事例を後から探せる形で残します (ナレッジマネジメント)。
管理しすぎない 成果の報告や数字の目標を細かく求めると、自由な相談が減っていきます。 どんな知見が生まれたかを、ときどき組織に紹介してもらう程度にとどめます。
研修との関係
研修で学んだ人どうしが、研修の後も実践共同体としてつながると、 職場で試したことや困ったことを共有でき、学びが続きやすくなります (研修転移・ソーシャルラーニング・社内講師)。
