ケースメソッド(事例研究)
読み: けーすめそつと別名: Case Method、ケーススタディ、事例研究、ケース討議
実際のビジネスの事例を読み、当事者の立場で「自分ならどうするか」を議論して判断力を鍛える学び方です。進め方と、研修で使うときの勘所を解説します。
ケースメソッドは、実際のビジネスの事例(ケース)を読み、当事者の立場で「自分ならどうするか」を議論する学び方です。 正解を教わるのではなく、限られた情報の中で判断し、その理由を説明する経験を積むことで、 判断力を鍛えることを目的にしています。
経営者や管理職を育てる教育の中で発展した方法で、企業では管理職研修や経営幹部の育成でよく使われます。
ケーススタディとの違い
「ケーススタディ」と同じ意味で使われることも多い言葉ですが、区別するときは次のように分けます。
| ケーススタディ | ケースメソッド | |
|---|---|---|
| ねらい | 事例から原因や教訓を分析する | 当事者として判断を下す |
| 問い | 何が起きたのか、なぜ起きたのか | 自分ならこの場面でどうするか |
| 答え | 分析の結論がある程度定まる | 唯一の正解はない |
進め方
ケースメソッドは、一般に次の3段階で進めます。
- 個人で読む — ケースを読み込み、自分の判断と理由をまとめておく
- 小グループで話す — 互いの考えを出し合い、見落としていた点に気づく
- 全体で討議する — 講師が問いを投げかけながら、論点を深めていく
討議の質は、1の個人の準備でほぼ決まります。 読んでこない人が多いと、全体の討議がケースの内容の確認で終わってしまいます。
研修で使うときの勘所
ケースは自社に近い題材を選ぶ 業界や規模がかけ離れた事例では、「うちとは違う」で議論が止まります。 社内で実際に起きた出来事を、関係者が特定できない形に直して使う方法もあります。
講師は答えを言わない 講師が最後に「正解」を示すと、受講者は次から講師の答えを当てにいくようになります。 講師の役割は、問いを投げ、異なる意見を引き出し、論点を整理することです。
判断の理由を書き残す 討議の後に、自分の判断と理由を短く書いてもらうと、 議論で考えが変わった点を本人が確かめられます。
アクティブラーニングの代表的な手法の一つで、 事前に読む・集まって議論する、という形は反転学習とも相性が良い方法です。
